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NVIDIAのブラックウェルアーキテクチャを搭載した小型高性能ワークステーションが登場、企業向け2UサーバーでAI加速を実現

3日前

NVIDIAはSIGGRAPH2024会議で、Blackwellアーキテクチャを搭載した新世代プロフェッショナルGPU「RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition」の2Uラックマウントサーバー向け展開を発表。Cisco、Dell Technologies、HPE、Lenovo、Supermicroら世界の主要システムベンダーが、このGPUを搭載した2Uサーバーを提供し、企業のオンプレミスデータセンターにおけるAI加速を推進。従来、Blackwell GPUは4Uサイズの大型サーバーに限定されており、電力・冷却・設置スペースの制約が課題だったが、2Uフォームファクタの採用により、既存のデータセンターインフラでも容易に導入可能に。これにより、AIファクトリーの構築や物理AI(Physical AI)アプリケーションの展開が、より広範に実現される。 同時に、RTX PRO 4000 Blackwell SFF EditionとRTX PRO 2000 Blackwell GPUも発表。これらは従来のGPUの半分以下のサイズで、70Wの低消費電力で運用可能。第四世代RTコアと第五世代Tensorコアを搭載し、前世代比でAI性能が最大2.5倍、レイトレーシング性能が1.7倍、メモリ帯域が1.5倍向上。特にRTX PRO 2000は、3Dモデリングで1.6倍、CADで1.4倍、レンダリングで1.6倍の高速化を実現。AI生成分野では画像生成が1.4倍、テキスト生成が2.3倍に飛躍。これにより、設計・建築・映像制作・医療など幅広い分野での迅速なプロトタイピングと共同作業が可能に。 実際の導入事例として、デンバーのMile High Flood Districtは洪水シミュレーションや大規模3D可視化にRTX PRO 2000 Blackwellを活用。CUDAコア数がほぼ2倍に増加し、GISデータや水文データの処理能力が飛躍的に向上。カナリア政府の地理情報サービスでは、Esri ArcGIS ProでのAIモデルの最適化が2倍速。ロンドンのSTFは「UrbanGPT」アプリでリアルタイムのテキストから3D都市設計を生成し、都市計画の効率化を実現。エンジニアリング企業のThornton Tomasettiは、自社開発の有限要素解析ソフトCORE.MatrixでRTX PRO 2000 BlackwellがRTX 2000 Ada比で27倍高速化。スマートベビーカーを開発するGlüxkindも、リアルタイムAI処理により安全性と応答性を強化。 NVIDIAのソフトウェアエコシステムも強化。AI Enterpriseは企業向けAI開発を支援し、Cosmosプラットフォームは世界モデル「Cosmos-Reason1-7B」をRTX PRO 4000 SFFで実行可能に。Omniverseはデジタルツインや物理AIシミュレーションを支援。CUDA-Xライブラリや600万以上の開発者、6000以上のアプリケーションとの連携により、スケーラブルな性能が実現。 RTX PRO 2000 BlackwellはPNY、TD SYNNEX、BOXX、Dell、HP、Lenovoなどから、RTX PRO 4000 SFF EditionはDell、HP、Lenovoなどから、2024年内に発売予定。RTX PRO 6000 Server Editionの2Uサーバーも同年後半に提供開始。NVIDIAは、AIの進化が計算基盤を根本から変える時代に入っていると強調し、Blackwellアーキテクチャを基軸としたエコシステムが、企業のデジタル変革を支える新基盤となる。

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