Nvidia、AIスタートアップに巨額投資を続々と展開 2025年だけで50件超のVC出資
Nvidiaは人工知能(AI)ブームの中心に立ち、収益・利益・現金保有高が急増。2024年以降、ChatGPTを皮切りに広がる生成AIの流れを受けて、株価は急騰し、時価総額は4.5兆ドルに達した。この成功を背景に、Nvidiaは2025年に入ってからも積極的なスタートアップ投資を展開。PitchBookデータによると、2025年にはすでに50件のVC投資に参加しており、2024年全体の48件を上回るペースで、その勢いを強めている。これは、公式のVCファンド「NVentures」の活発化も含む。NVenturesは2022年に1件の投資にとどまったが、2025年には21件にまで拡大している。 Nvidiaの投資目的は、AIエコシステムの拡大を図ること。特に「ゲームチェンジャー」や「市場を創出する」可能性を持つ企業に注力している。2023年以降、1億ドル以上を調達した企業の多くにNvidiaが参加しており、その範囲はAIモデル開発からハードウェアインフラ、ロボティクス、データセンター、医療AIまで広がっている。 代表的な投資先には、ChatGPTを開発するOpenAI(2024年10月に1億ドル投資、その後1000億ドル規模の戦略提携を発表)、Elon Muskが率いるxAI(60億ドル調達に参加、20億ドルの追加投資を計画)、フランスのMistral AI(20億ドル調達に参加)、AIコード生成のReflection AI(20億ドル調達にリード投資)などがある。また、元OpenAI CTOのMira Muratiが設立したThinking Machines Lab(20億ドル調達)、自律走行車のWayve(10.5億ドル調達)、人型ロボットのFigure AI(10億ドル超調達)、データラベリングのScale AI(10億ドル調達)なども投資対象に含まれる。 さらに、核融合エネルギーのCommonwealth Fusion(8.6億ドル)、データセンターのCrusoe(6.86億ドル)、AI検索のPerplexity(5億ドル)、AIコーディングのPoolside(5億ドル)、AIクラウドのLambda(4.8億ドル)、AI医療のHippocratic AI(1.41億ドル)などもNvidiaの投資対象に加わっている。 これらの投資は、Nvidiaが単なるGPUメーカーにとどまらず、AI産業全体の基盤を支える戦略的プレイヤーへと進化している証左である。AIの発展を支えるインフラとエコシステムの形成に、Nvidiaは自らの力を注ぎ続けている。