AI ツール普及進む米国人だが、信頼性は低下
クイニピアック大学の最新の世論調査によると、米国では AI ツールの利用が拡大する一方で、その成果への信頼は著しく低下しています。直近の調査では、対象者の 76%が AI を「ほとんど」または「時々」しか信用できないと回答し、ほぼ完全に信頼できると答えたのは 21%にとどまりました。これは、AI を一度も使用したことがないという回答者が前年比で減少し、利用者が急増している現状との間で、顕著な矛盾が生じていることを示しています。クイニピアック大学のチェトン・ジャイスワル教授は、利用と信頼のギャップが際立っていると指摘しています。 AI への不安や将来への懸念も調査結果に影響を与えています。AI への期待は非常に低い一方で、80%の米国人が AI に懸念を抱いており、特にミレニアル世代やベビーブーマー、そして次世代の Z 世代が不安を強めています。回答者の半数近くは、日常生活において AI がもたらす害が便益を上回ると考えており、この否定的な見方は昨年来のテクノロジー企業の人員削減や、AI に関連する深刻な社会的問題、そして膨大な電力を消費するデータセンターの建設問題などが背景にあると考えられます。 雇用への影響に関する見解も明確に否定的です。回答者の 70%が AI の進歩は雇用機会を減少させると予測しており、その数は前年よりもさらに増加しています。特に Z 世代は 81%が雇用の減少を予見しており、彼らは AI への習熟度が高くなるほど、労働市場への楽観視が低下しているという逆説的な傾向を示しています。ただし、雇用全体への懸念とは異なり、30%の雇用者だけが自身の仕事が AI によって代替されることを心配しており、相対的に自身の雇用危機については比較的楽観視している層も依然として存在します。 企業の透明性や規制に対する不信感も、信頼の欠如を招く主要な要因です。回答者の 3 分の 2 は、AI を活用する企業が十分すぎるほど透明性を欠いていると主張し、同様に政府による規制が不十分だと考えています。この世論は、州政府が AI 規制の権限維持を求めている一方で、連邦政府や業界指導者が規制の緩和を推進している状況と対照的です。専門家は、米国人が AI そのものを拒絶しているわけではなく、不確実性の高さと信頼、規制の不足、そして雇用への恐怖に対する警告を発しているとの見解を示しています。
